WORKS

HOUSE – KT

千葉

Architecture

House

ずれた空間の繋がり

九十九里の海岸から少し離れた住宅地に設計した、若い家族の住宅である。敷地は、細長い形状で、建主の両親の住まいが敷地に隣接している。都心の密集住宅地では得難い広さとゆったりとした時間の流れる場所である。また、南側の隣地には畑が広がり、敷地に広がりを与えていた。このような、外部に開きやすい敷地条件であることから、外部空間と住宅が、密接に関わりを持った住宅となるように計画をおこなった。

建物を小さく分節し、ボリュームを雁行させながら建物を配置した。この配置計画により、建物と呼応するような小さな庭をいくつもつくり、外部空間を感じられる場所を散りばめた。小さな庭は、内部空間のそれぞれの場所に合わせてデザインしている。観るための坪庭や、リビングと連続する活動的なデッキテラス、敷地を立体的に繋ぐルーフバルコニーや、ダイニングの背景となる植栽等、内と外にある近い関係の場所を何気ない日常の中にいくつも取り入れることで、生活に豊かさを与えることを目指している。

また、建物を片流れ屋根の小さなボリュームの集まりとし、一部を高さを抑えた平屋建てとすることで、庭に近い関係づくりや、周辺環境への圧迫感のないようにも配慮している。