Tatsuro Sasaki Architects

装具、あるいは整形外科靴といわれる特別な靴をつくるためのオフィス兼工房の設計を行った。

今回の計画では、靴づくりの工程上必要となる、採寸、採型、裁断、組立、仕上げのための実務的スペースとなる工房を整えること。また、歩行困難な方や、歩行に違和感を感じている方が気軽に相談できる場所としての店舗を将来展開として求められた。
そこで、将来展開のための店舗スペースを確保しつつ、今回は工房の計画を行った。

ここで働く職人達は、歩行障害のある方々一人一人に合った靴を、一つ一つ丁寧に製作している。また、利用者の体の変化や、成長に合わせて装具や靴を更新しながら、長い時間を共有することで、信頼関係を築いていくのである。

工房は、外部からも特徴的に見える木箱のようなかたちとし、ガラスの窓が連続する工房の内部が垣間見える構成としている。職人、利用者のお互いの表情が見える、あるいはそこで会話がはじまるようなオープンな工房である。

職人が、利用者の喜ぶ表情を見ることや、利用者が職人の真剣な表情を見ることは、深い信頼関係をつくるためのきっかけになるのではないかと考えている。また、この場所が、歩行に障害をもつ人の拠り所となるようにさらに展開していくことを期待している。