Tatsuro Sasaki Architects

旅のテンションを上げる旅のための籠 (かご)
 このホテルは、星野リゾートが新ブランド「OMO」として運営するツーリストのための都市観光ホテルです。JR山手線大塚駅北口からほど近い都電荒川線に隣接した敷地に計画されています。
 このホテルの最大の魅力は、施設内に多くのサービス機能をもたず、街と繋がる仕組みにより、低価格で街のディープな魅力を体験できる宿泊を提供することです。都電や神社、並木道、街の小さな飲食店等、街が本来的に持っている特徴を、ホテルのサービスが連携し、滞在の魅力として活かすことで、都市観光という新しい旅のあり方を提示しています。
 ホテルのパブリックスペースは、かつて賑わいを見せた旅籠(はたご)の宿をヒントに、旅のための籠(かご)をデザインコンセプトとしています。三寸角のヒノキ材で組まれた大きな籠 (かご)の木軸空間に、屏風のような2つの銅板の壁で空間を曖昧に分節しています。カフェやバー、ゲストが集うラウンジ、街のインフォメーション機能を持ったライブラリーやMAP、街を見渡すカウンター等、ゲストが思い思いに過ごせる様々な居場所を木軸空間と一体化しながら設けています。

立体的で多機能な家具で構成された客室
 客室は、20㎡程度の小さな空間を立体的に利用し、滞在を楽しむ仕掛けを高密度に計画しています。三寸角のヒノキ材を採用した高床式ベッド (やぐら寝台)、小上がりとなるソファ (寛ぎ寝台)、多機能な壁面収納 (仕掛け壁) 、階段状の収納 (箱階段)等、立体的で多機能な家具により客室を構成します。 玄関で靴を脱ぎ畳でリラックスすることや、洗い場のあるお風呂等、日本的な寛ぎのかたちを取り入れ客室空間がつくられています。